2024.1.30更新
老後一人暮らしの楽しみ方は?ポイントや注意点も解説!
老後に一人暮らしをするときに、楽しみ方が分からず、日々を漫然と過ごしている人もいるのではないでしょうか。一人暮らしをするなら、好きなことをして有意義な時間を過ごしたいものです。 この記事では、老後一人暮らしを楽しくするための方法と、高齢になってから単独で暮らす場合の注意点について解説しています。コミュニケーション不足で寂しさを感じたときの対処法も紹介しているので、ぜひ読んでみてください。
目次
老後の一人暮らし事情と今後
近年は、老後に誰とも一緒に暮らすことなく、単独で生活する高齢者が増えているといわれています。どれくらいの割合の高齢者が一人暮らしをしているのか、また、今後の見通しについて確認していきましょう。
老後一人暮らしをしている人の人数
内閣府が公表している「平成29年版高齢社会白書」によると、1980年の時点で、65歳以上の高齢者が一人暮らしをしている人数は、男性が約19万人、女性が約69万人でした。高齢者人口に対する割合としては、男性が4.3%、女性が11.2%です。 ところが、2015年になると、男性は約192万人、女性は約400万人と大幅に増加し、高齢者人口に対する割合も男性13.3%、女性21.1%と、大きく増えています。 一人暮らしの高齢者の数は、この先も増加する見込みです。総務省の発表では、2040年には男性高齢者の15.0%に当たる約356万人、女性高齢の24.5%にあたる約540万人が、一人暮らしになるという見通し が立てられています。
あえて老後の一人暮らしを選択する人が増えている
高齢者の一人暮らしは珍しくなく、むしろ老後を迎えてから積極的に一人暮らしをする人も増えています。パートナーや家族が暮らす家があるのに、あえて賃貸物件などを借りて、住まいを別にするパターンもあります。 老後の一人暮らしを楽しみに、生活を充実させたいという考え方からこのような選択をする人もいるようです。
老後の一人暮らしで考えられる不安要素
老後の一人暮らしは、楽しいことばかりではありません。若いころとは違って、高齢になるとさまざまな問題が起こってきます。 老後の三大不安といわれる、3つの不安要素について知っておきましょう。
お金
老後は、生活にかかるお金の面で苦労する心配があります。年金や退職金だけで生活できない場合に備えて、それなりの額の貯蓄を確保しておかなければなりません。どれくらい生きるかは誰にも予測がつきませんが、長く生きるには相応のお金が必要です。 老後の生活がスタートしてから、病気になって医療費がかかったり、介護費が発生したりと、思った以上に出費が大きくなる可能性があります。 持ち家のローンの返済期間中に高齢を迎えた場合は、仕事をリタイアしたあともローンの返済が続くケースも考えられます。また、賃貸に住んでいるなら、家賃を継続的に支払わなければなりません。 老後は若いときに比べて収入が下がってしまうため、お金の工面をどうするかが大きな課題となるでしょう。
健康
いつまでも元気で健康に暮らしたいと願っても、高齢になると体の機能が衰えていくので、病気や怪我のリスクはどうしても高くなります。 体力が落ちてあまり体を動かさなくなれば、運動不足から、筋力の低下やさまざまな病気を引き起こす可能性があります。 最近では、歩行するための運動機能に支障をきたした状態をロコモティブシンドロームと呼ぶようになりました。ロコモティブシンドロームが進むと、自力での移動が困難になり、介護が必要になることもあります。 高齢になったら、いままで以上に食事や運動に気を遣い、できるだけ健康な体を維持する必要があるでしょう。
社会的孤立
老後の一人暮らしは楽しみばかりではありません。周囲とのコミュニケーションが減った結果、社会的に孤立してしまうケースもあることもあります。 仕事をしていたときは、職場の仲間とのつながりがあったのに、リタイア後はパッタリと交流がなくなり、気づいたら孤独になっていたというパターンも多いです。 子どもがいない夫婦のどちらかが先に亡くなることで、結果的に一人暮らしになる人もいるでしょう。 近年では、運動能力の低下や、外出の機会が少なくなることにより、引きこもりになってしまう独居高齢者の増加も課題となっています。
老後一人暮らしの楽しみ方は?
老後は、自由に使える時間が圧倒的に多くなります。せっかく一人暮らしをするなら、生活を充実させて、楽しい毎日を過ごしたいものです。 老後一人暮らしの楽しみ方としておすすめの事例を紹介するので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
趣味の時間を作る
仕事を退職したら、やることがなくなってしまって無気力に過ごしているという人も多いです。 時間がたくさんあるなら、趣味を見つけて楽しんでみてはいかがでしょうか。これといった趣味がない人でも、高齢になってから新しいことに挑戦するのは意外と簡単です。 ウォーキングは、手軽にできる趣味としておすすめです。老後は外出するのがおっくうになりがちですが、ウォーキングを日課にすることで運動不足を解消できます。歩くだけならお金もかからないため、道具を揃えなければならない趣味に比べて、気軽に始めやすいでしょう。 老後一人暮らしの楽しみとしておすすめの趣味をほかにもいくつか紹介するので、予算の範囲内で楽しめそうな趣味を見つけてみてください。
カメラを使った写真撮影
老後にカメラを趣味とする人は、意外に多いです。風景を撮りにいろいろな場所へ出かけるので、必然的に体を動かすことになり、健康維持にも役立ちます。 撮影できる時期や場所が限定されている被写体は、それを撮るためにスケジュールを組む必要があり、撮影に行く日を心待ちにするワクワク感を味わえるでしょう。定年後なら、撮影のためのスケジュール調整も仕事を気にせず楽々です。 春は色とりどりに咲く花を撮ったり、秋は鮮やかな紅葉を撮ったりと、季節ごとに違った風景が撮れるのもカメラの魅力でしょう。 一眼レフなど本格的なカメラを購入するのもひとつの選択肢ですが、そこまで費用をかけなくても、まずはデジタルカメラやスマホのカメラ機能で撮影することから始めてみてはどうでしょうか。
囲碁や将棋
囲碁・将棋は、戦略を立てて進める頭脳ゲームなので、頭を使うトレーニングとして有効です。体を動かすよりも、頭を使って考えるほうが得意な人に向いているでしょう。 囲碁や将棋は対戦相手が必要なため、友人と対局したり、高齢者向けのクラブに参加したりして、人とのコミュニケーションの機会を増やせます。スマホアプリやパソコンソフトを使ったオンライン対戦なら、外出しなくても自宅で好きなときにできます。 初心者はルールを覚えることからスタートしますが、基本さえ押さえれば始められるので、入門書やルール解説サイトを見て勉強してみましょう。
手芸
手先が器用な人や、細かい作業に集中するのが得意な人は、手芸を趣味にするのがおすすめです。 手芸をしているとあっという間に時間が経つので、これという趣味がなく漫然と一日を過ごしている人にぴったりです。それほど体力を必要としないため、運動が得意ではない人に向いています。 手芸には、刺繍やパッチワーク、編み物、ぬいぐるみ作りなど、さまざまなバリエーションがあります。材料費などはかかりますが、指先を動かすことは脳の活性化につながるといわれているため、認知機能の低下を防ぐのに役立つでしょう。
映画鑑賞
社会人時代や子育て中は、時間に追われて、ゆっくりと映画を楽しむ機会が少なかったという人もいるでしょう。老後は時間にゆとりがあるので、映画館に行って映画鑑賞をするのもよいでしょう。 DVDなどを借りて家で映画鑑賞もできますが、ふだん家にこもりがちな人は、映画館に行くことで外出の機会を作ることができ、気分もリフレッシュできます。 高齢者はシニア割引の特典で、映画鑑賞料金が一般よりも安くなります。さらに、混雑する土日を避けて平日の映画館に行けば、好きな座席の位置に座ってゆったりと映画を鑑賞できるでしょう。
読書
自由な時間がたくさんある高齢者のなかには、読書を趣味としている人も多くいます。通勤や仕事に時間をとられる社会人と違って、老後は生活のリズムを自分でコントロールできるため、好きな時間に読書を楽しめるでしょう。 読書をすると知識量が増えるだけでなく、新しい価値観を身につけたり、想像力を養ったりといった効果を得られ、視野が広がります。同じ価値観や固定観念にとらわれやすい人は、読書をすることで、考え方を柔軟に変えられるでしょう。 さらに読書には、気持ちをリラックスさせる効果があるといわれていて、日常生活に読書を取り入れるようにすると、心穏やかに過ごせる時間が増えるでしょう。ジャンルにこだわらず、さまざまな種類の本を読むのがおすすめですが、読書が趣味という人は小説やエッセイを読んでいる割合が多いようです。
地方へ移住する
老後の選択肢として、都市部から地方へ移住する人が増えています。一緒に暮らしている家族がいる場合は、通勤や通学の面を考えなければならず、簡単に移住を踏み切れないケースもあります。 しかし、一人暮らしなら身軽なため、ほかの家族の意見に左右されず、最終的には自分の判断で移住を決定できるでしょう。結婚や転勤で地元を離れていた人が、老後に地元へ戻る事例はよくありますが、最近では住みやすさを求めて、地元以外の地方部へ移り住む人も多くなっています。 地方へ移住するメリットは、都市部に比べて生活コストを抑えられる点です。仕事をリタイアすると収入が減るため、家賃相場や物価が低い地方へ移住することによって、出費を減らせます。 せわしない都会での生活よりも、自然に囲まれてのんびりと過ごせる地方での暮らしにあこがれて、移住を決断する人もいます。小規模な農地付きの物件を選べば、家庭菜園が楽しめて、自然を身近に感じる生活が実現できるでしょう。
ボランティアに参加する
老後のボランティア活動を生きがいとする人もいます。ボランティア活動は、基本的にグループや集団でおこなうため、参加することで老後の孤立防止になるでしょう。 老後の一人暮らしでは、人から感謝される機会がなかなかありませんが、ボランティア活動をとおして人の役に立つことで、達成感や充実感が得られます。同じボランティア活動に何回か参加していると、活動中の会話をきっかけに顔見知りが増えてくるので、交友関係を広げるのにも効果的です。 ボランティア活動には、防犯パトロールなど歩いて体を動かすような内容のものや、草刈りなど作業系の活動もあり、運動不足解消に役立ちます。自治体で募集されているボランティアや、ボランティアセンターをつうじて応募できる活動などがあるので、自分にできそうな内容のものがあるか問い合わせてみましょう。
仕事をする
定年退職を迎えてから、別の仕事に再就職するという選択肢もあります。その目的は、収入を増やすためだけでなく、老後も生き生きとアクティブに過ごしたいという思いから、再就職の道を選ぶ人も多いようです。 家でじっとしているよりも、働いていたほうが体を動かせるので健康によいですし、人とコミュニケーションを取ることで孤独を感じにくいでしょう。シニアになってから新しい仕事を探すときのポイントは、体に無理のない範囲でできる業務内容を選ぶことです。 たとえば、清掃の仕事は簡単な作業が多く、短時間で終わる場合が多いため、高齢者でも働きやすいでしょう。また、マンションの管理員もシニアからできる仕事のひとつです。 基本の仕事内容は、マンション敷地内をまわって掃除をしたり、設備の点検作業をしたりすることなので、それほど体力を消耗せず勤務できます。ほかにも、特別な資格を必要としない、65歳以上OKの求人がたくさん出ているので、勤務地や勤務時間などの条件が合う求人を探してみましょう。
老後一人暮らしを楽しむポイント
老後の一人暮らしを満喫するためには、健康であることと、十分な資金があること、そして人と交流する機会をもつことが大切です。 老後一人暮らしで気をつけたいポイントについて、確認していきましょう。
計画的に貯金をする
年金収入だけでは生活が不安なら、貯金を計画的に増やして、余裕をもって暮らせるだけの金額を確保しておきましょう。 65歳を過ぎてからも身体的に働ける状況であれば、積極的に仕事をして、余剰分を貯蓄にまわします。さらに、NISAなどを活用すれば投資による貯蓄額の増加も狙えます。 それとあわせて、出費を抑えられるように家計の見直しをしてみましょう。食費は家計に占める割合が大きく、収入の10%〜15%に収まるのがよいとされています。 光熱費やスマホの生命保険料などの固定費も、プランの見直しによって減らせる場合があるため、プラン変更や他社への乗り換えも検討してみてください。
無理に人間関係を良好に保つ必要がない
一人ぼっちでいれば、人間関係の悩みを最小限に抑えられます。パートナーがいたり、子どもがいたりすると、その分人間関係に悩むことがあります。 無理に人と関わらず、自分にとって心地よい人間関係を築くことで、老後もリラックスした状態で生活できます。自分の感情やニーズを尊重し、無理に周りに合わせることなく、本当の自分を大切にしていきましょう。
健康的な生活を送る
老後を快適に過ごすためには、健康であることが第一です。食事・運動・睡眠に気を配って、生活リズムを整えましょう。 食事は不規則にならないように、1日3回できるだけ毎日同じ時間帯に食べるようにしましょう。三大栄養素である炭水化物・脂質・たんぱく質以外にも、体の調子を整えるビタミンやミネラルをしっかり摂ってください。 高齢になると筋力が低下していくので、日常的な運動も大切です。ストレッチや体操、ウォーキングなどがおすすめですが、無理をするとヒザや腰を傷めてしまう可能性があるため、気をつけましょう。 質のよい睡眠は、心身の健康維持に欠かせません。高齢になると体内時計の変化から眠りが浅くなって、朝早く目覚めてしまう傾向にあります。そのぶん夜は早めに就寝して、十分な睡眠時間を確保するとよいでしょう。
多くの友人や趣味を作っておく
老後の一人暮らしは、意図的に人と交流する機会をもうけないと孤立しがちです。趣味をきっかけとしてサークルに入れば、共通の趣味をもった仲間が増えて、充実した日々をすごせるでしょう。 高齢者向けのサークルは、自治体が発行する広報誌の情報欄や、インターネットで探せます。身近に参加できそうなサークルがあるか調べてみましょう。
老後一人暮らしのメリットや注意点は?
老後の一人暮らしには、楽しみや暮らしやすさがある一方で、注意しなければならない点もあります。 高齢を迎えてからひとりで暮らすメリットと、気をつけておきたいポイントについて、お伝えします。
おひとりさまのメリット
同居する人がいない状態を「おひとりさま」といいますが、おひとりさまのメリットは、誰にも気を遣わずに生活できることでしょう。好きな時間に好きなことをして過ごせるので、家族との同居によるストレスとは無縁です。 また、お金の使い方をめぐって夫婦喧嘩が起こるケースもありますが、おひとりさまならお金の使い道は自由なので、干渉されることなく自分の判断で決められます。
ひとりの時間を過ごすうえでの注意点
ひとりで暮らすことには、何かあったときにすぐ助けてもらえないリスクがあります。急な入院で、身の回りの準備や入院手続きのために人の手を借りなければならない場面もあるので、いざというときどのように行動するか、考えておく必要があるでしょう。 誰とも接触しないことにより、自分の体調不良や認知症の兆候に気づきにくいという問題点もあります。離れて暮らす家族と定期的に連絡を取ったり、地域の見守りサービスを活用したりして、完全に孤立しないよう対策をしておきましょう。 老後一人暮らしの楽しみ方やポイント、注意点について詳しく解説しました。次にこちらでは、動物アレルギーにもおすすめのおしゃべり人形に焦点を当て、その魅力を解説します。
まとめ
老後一人暮らしの楽しみは、メリハリのある生活や、充実した趣味があってこそ実現できます。気軽に楽しめる趣味を見つけて、ひとりの時間を有意義に過ごしましょう。 老後の一人暮らしは、人との会話が少なくなりがちで、気づいたら何日も誰とも話していなかったというケースもよくあります。 ひとりは気楽だけれど、会話がなくて寂しいと感じている人には「おしゃべりみーちゃん」をおすすめします。 おしゃべりみーちゃんは、音声認識機能がついた人形の女の子です。話しかけると本物の女の子の声で返答してくれて、ときにはひとりごとを言ったり、歌を歌ったりして、なごませてくれます。 何気ない日常生活で、おしゃべりみーちゃんとの会話を楽しんでみてはいかがでしょうか。